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導光体の設計手順を具体的に説明するため、次のように単純化したモデルを考えることにします。 ジェネシアでは、お客さまのアプリケーションごとにこのような考察を行い、合理的で製造性の高い導光体の設計を実施しています。
ジェネシアでは、お客さまからの受託業務として、導光体の設計・製作を行う他、 お客さま御自身にこのような設計手順を習得頂くためのトレーニングコースも個別に設定しています。
水平に置いた電子基板上にLEDを実装し、その光を正面パネルから放射させる導光体を考える。 ただし、直角スコヤのコーナを45°カットするのではなく曲面で構成することとする。
オリジナル形状の導光体を通過する光線をLightToolsで追跡したところ その結果から、この導光体には、2つの問題があることがわかりました。
1 | 曲部付近で、全反射条件を満足せず、漏れ光りが発生しています。 その結果、LEDを放射した光線の 75%しか、正面パネル側には放射されません。 (注1 : 光の利用率の計算の際には、LEDの発光部の面積を正しくモデル化していますが、図の簡略化のため、 光路図を描画する際には点源として追跡しています。 注2 : この例題では、LED光の入射面および出射のフレネル反射率は無視して考えます。) |
2 | 導光体の内部で、1回/2回/3回 反射した光線群がそれぞれ一群となって放射されています。 この隙間に相当する方向、(図中、青色の矢印の方向) から観察した際には、LEDが点灯していることを判別できません。 |
この例題では、上記課題のうち 1)に着目して、導光体の形状最適化を図る手順を示します。
[1] | まず、曲部に直接到達し、全反射条件を満たさずに漏れる光に着目する。 |
[2] | 光線入射面(導光体がLEDと向かい合う底面)に 凸面を作って、着目している光のみ、導光体内部の光線進行方向を変える。 |
[1] | 導光体の内面で、2回反射してから漏れる光に着目する。 |
[2] | 反射光路を変更し、全反射条件が満たされるように、 |
[3] | 底面の傾きを変更する。 |
[1] | 1回反射してから漏れる光 |
[2] | 反射面付近に凹面を2つ設けると、 |
[3] | それらの光が局部に集中する。 |
[4] | しかし全反射条件は未だ満たしていないので漏れ光は残っている。 |