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学会発表

日本天文学会2001年秋季年会 [A06b]

"ぐんま天文台小型低分散分光器におけるSN2001bg、SN2001bfの観測"

○衣笠健三、河北秀世(ぐんま天文台)、山岡均(九大理)、武山芸英、 山室智康((株)ジェネシア)

ぐんま天文台65cm望遠鏡にとりつけた小型低分散分光器で比較的明るい2つの超新星の分光観測を行い、そのタイプを決定したので報告する。 また、その観測で使われた小型低分散分光器について紹介する。
SN2001bf,bgの2つの超新星は英国のパトロールチームによってそれぞれ、 5月3日、8日に発見され(IAUC7620,7621)、5月10日現在、SN2001bgが~14等、SN2001bfが~15等と比較的明るい超新星となっていた。 この報告をうけて、我々はぐんま天文台65cm望遠鏡に小型分光器をとりつけて、SN2001bgを5月10、11日に、SN2001bfを5月11日に観測を行った。
観測の結果、SN2001bgのスペクトルは FeII, SiII, SII などの吸収線が顕著であり、極大光度付近のIa型超新星の典型的なスペクトルであることがわかった。 SII吸収線(rest 635.5 nm)から、膨張速度は 9700km/s であった(IAUC7622)。その後のホイップル天文台の観測によって、母銀河と我々の銀河による強い NaI Dの吸収(EW~0.15nm)が発見され、星間物質による吸収を受けていることがわかってきている(IAUC7626,IAUC7639)。
また、SN2001bfのスペクトルは 比較的青い連続光に 610nm 付近のSII の吸収線が顕著であり、極大光度直前のIa型超新星のスペクトルに類似していた(IAUC7625)。 その後のラスカンパナス天文台の観測から、SN2000HというIc型の超新星のスペクトルに近いといった報告がある(IAUC7636)。
この観測に使われた小型低分散分光器(GCS)は、ぐんま天文台と(株)ジェネシアの共同開発によって作られたものである。 通常、ぐんま天文台 65cm望遠鏡にとりつけて観測に使われるようになっている。今回の超新星観測のように、15等程度までの天体の観測が可能である。 取付と準備などが比較的短い時間で行えるため、今後の突発現象の分光観測に使用できると考えている。

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