日本天文学会2004年秋季年会 [D06a]
○古荘 玲子(早稲田大教育)、河北 秀世(ぐんま天文台)、渡部 潤一(国立天文台)、池田 優二(株式会社ジェネシア)、川端 弘治(広島大)、松村 雅文(香川大)、春日 敏測(総研大)
彗星の偏光観測は、彗星ダストの特性を探る上で非常に有用な手段である。
我々のグループでは、可視偏光撮像観測のための装置を開発し、リニア彗星(C/2002 T7)およびニート彗星(C/2001 Q4)のIバンド観測を行った。
観測は、県立ぐんま天文台の65cm望遠鏡に今回開発した装置を取り付けて行われた。
リニア彗星の観測は2003年末に行われ、位相角7°付近および 27°付近の観測データが得られている。
一方、ニート彗星の観測は2004年5~6月に行われ、位相角52°付近から87°付近の間でデータが得られた。
特に、ニート彗星に関しては地球再接近頃の最も空間分解能の高い時期のデータを得ることができ、偏光度マップにおいて
彗星核近傍の高い偏光度領域を検出している。
発表では、異なる位相角において行われた観測の結果を報告し、ニート彗星、リニア彗星それぞれの彗星ダストについて議論する。
また、今回開発した装置についての簡単な紹介も併せて行う予定である。