地球電磁気・地球惑星圏学会 2004年秋講演会 (D31-P114)
小淵 保幸[1], 坂野井 健[1], 山﨑 敦[1], 岡野 章一 [1], 浅村 和史[2],
平原 聖文[3], 金井 美一 [4]
[1]東北大学大学院理学研究科, [2]JAXA / 宇宙科学研究本部, [3]立教大学, [4]ジェネシア
地上光学観測により、オーロラ発光が100m程度以上の微細構造を持つことは
知られているが、その詳細な衛星観測例はほとんどない。2005年に高度680km、
地方時10.5-22.5時の極軌道に投入予定のINDEX衛星では、オーロラ微細構造の
解明を目指して、粒子とオーロラ発光の高時間・高空間分解観測が実施される。
我々は、そのINDEX衛星に搭載される多波長オーロラ観測カメラ
(Multi-spectral Auroral Camera ; MAC)の開発を行っている。MACにより、
N2+(427.8 nm)、OI(557.7 nm)、N2(670 nm)の3波長におけるオーロラ
発光について最大1.2 kmの空間分解能および、120 msecの時間分解能での観測が
予定されている。
最近MACのフライトモデルに対して、単体熱真空試験、振動試験、衝撃試験を
実施した。MACが精密光学装置であることから、熱環境の変化、振動、衝撃に
対して安定した光学性能並びに電気的特性の保持と再現性が可能であるかを
判定することが環境試験の主目的である。熱真空試験においては、真空恒温槽中で
-20℃から50℃まで温度を10℃刻みで制御し、カメラ電源投入やデータ取得などを
行うことで機能確認を行い、その後レンズの焦点位置ずれチェックを行った。
また振動試験においては約16Grmsのランダム振動を加え、構造・電気的性能が
劣化しないことを確認するとともに、その前後での画像による性能評価、及び
焦点位置ずれのチェックを行った。さらに衝撃試験においては約2000G@1000Hz
の衝撃を加え、振動試験と同様のチェックを行った。
本講演では、上記の環境試験結果の報告と、その結果に対する評価、考察を
議論する。