地球電磁気・地球惑星圏学会 2005年秋講演会 (A22-P019)
小淵 保幸[1], 坂野井 健[1], 山﨑 敦[1], 井野 友裕 [1], 岡野 章一 [1],
浅村 和史[2], 平原 聖文[3], 金井 美一[4], 武山 芸英[4], 斎藤 宏文 [2]
[1]東北大学大学院理学研究科, [2]JAXA / 宇宙科学研究本部、
[3]立教大学, [4]株式会社ジェネシア
地上光学観測により、オーロラ発光が100m以下の微細構造を持つことが
知られている[ Borovsky et al., 1993; Trondsen et al., 1998 ]。また、
FAST衛星との磁気共役光学観測から、約3km程度のオーロラ加速領域と
オーロラアークの対応関係が報告されている[ Stenbaek-Nielsen et al., 1998 ]。
しかし、単一の衛星からの~2kmの微細な空間スケールにおける降下粒子と
オーロラ発光の同時観測はこれまでに例を見ない。2005年8月に高度約610kmの
昼夜極軌道に投入予定のINDEX衛星では、粒子・オーロラ発光の高時間・
高空間分解同時観測が計画されている。
我々は、INDEX衛星に搭載される多波長オーロラカメラ(以下MAC)の開発を
行ってきた。MACの光学系は3組のレンズ・干渉フィルター・CCDで構成され、
N2+1N(428 nm)、OI(558 nm)、N21P(670 nm)の3波長同時オーロラ
観測を行うことが出来る。このMACによって得られる高時間(最大120msec)
・高空間(~2km@100km高度)分解能のオーロラ観測データと、同時に
同一磁力線上で取得される高時間(20msec)分解能プラズマ粒子データとの
比較を行うことで、微細なオーロラ構造の解明に寄与する。
本発表が行われる2005年9月にはINDEX衛星の打ち上げが終了し、MACは
初期観測データを取得していることが期待される。そこで本発表では、
初期観測結果を示すと共に、これらの観測データの信頼性に関わるMAC視野の
軌道上におけるキャリブレーション結果についても報告し、さらにINDEXの
運用手法、今後の運用計画についても述べる。