FIT2008(第7回情報科学技術フォーラム)
江野口章人(ジェネシア)、中須賀真一(東京大学)
物体を撮影する際、撮影光学系(カメラ)と物体が相対的に動くと、画像ブレが生じる。 視線のずれが等速直線運動と仮定できるときは、このブレは線分と見なせる。撮影した画像から、 この線分の長さと方向を推定する研究は数多くなされてきた。しかし収差、すなわち光学系の 性能劣化がある場合については本格的に検討されてこなかった。このような場合、従来手法では 収差とブレを区別できず、推定精度が著しく劣化するという問題があった。 本論文では、この問題に対処する手法を提案する。本手法は、光学系の性能が不確定な 環境下における運動推定や画像復元分野で、有用性が特に高いと考えられる。