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横収差図の読み方 -- レンズ設計を始める前に

5.横収差図の原点付近の傾きが画角ごとに異なる場合(像面湾曲)

図19の横収差図を図23に再度示します。 横収差図の原点付近の傾き(図中太線で表示)が、画角ごとに異なっています。

光路図

図23:像面湾曲による横収差図

これは、各画角に対する結像位置が縦方向に異なることを示しています(図24)。

光路図

図24:画角ごとに縦方向に異なる結像位置

図24に描かれた画角の間にも無数の光路が存在します。これら光路の各結像点を接続すると、図25のように湾曲した像面を 描くことができます。

光路図

図25:湾曲した像面

上述のように、像面が平面に写像せず湾曲するという現象は、たとえ物体面が平面であっても生じることがあります。 この現象を像面湾曲といいます。

入射瞳座標の原点すなわち主光線位置付近の傾きに注目するのは、この付近では結像特性におよぼす球面収差やコマ収差の影響は軽微である一方、像面湾曲による横収差の影響が支配的に現れるからです。 レンズ系がこのような性質を有する理由は、 球面収差量が入射瞳座標の3乗に比例しコマ収差については入射瞳座標の2乗に比例するのに対し、像面湾曲による像のボケ量は 入射瞳座標の1乗に比例するためです。 つまり、入射瞳座標がゼロ付近の光束については、球面収差やコマ収差では、“ゼロ付近”の3乗あるいは2乗という微少量にとどまり、像面湾曲に由来する成分が支配的となるのです。 一方、マージナル光線の近傍では球面収差とコマ収差が顕著に現れ、像面湾曲による横収差量の変化は、それらに埋もれて目立たなくなる傾向にあります。

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