2006年2月に打ち上げられた 赤外線天文衛星 "あかり" は、銀河の誕生とその進化の過程を 解き明かすための サーベイ観測を目的としています。 口径67cm の主望遠鏡の焦点面には 遠赤外線観測装置 FIS と、3系統の近・中間赤外カメラが搭載されています。
ジェネシアはそれらのうち、近中間赤外カメラの光学ユニットについて、設計と製作支援を行いました。
"あかり" の初観測画像が、宇宙航空研究開発機構(JAXA) から公開されています。
それらのうち 2枚を同機構の許可を得て 転載しました。
"あかり"で得た画像と、これまで宇宙の赤外線マップを提供してきた赤外線観測衛星IRAS (米/英/蘭,1983) でによるものとの比較例です。 IC4954 という番号で知られるこの領域が、通常の可視光ではガスや塵に遮られて観測 できない誕生直後の天体の位置や 星の原料となるガスの分布まで、これまでとは 比較にならない高い解像度で明瞭に捕らえられています。
M81は、我々の銀河系からおよそ1200万光年離れたところにある渦巻き銀河です。 撮像波長は、それぞれ3, 4, 7, 11, 15, 24μm。 波長3μmおよび4μmの画像では、塵に遮られることなく銀河内部の星の分布がとらえられています。 波長7μmと11μmでは、M81内の星間ガスに由来する赤外線がとらえられています。 波長15と 24μm星に誕生まもない星によって暖められた星間空間の塵の分布がとらえられています。
近赤外線カメラは、概ねこのように構成されています
中間赤外線カメラは、概ねこのように構成されています