コピー機、FAXなど、光源と感光部/受光部が一体化された光学機器では、思いもよらない経路で 光線が伝播し、像面のコントラストを低下させたり、不快な擬似像を形成したりすることが あります。これらは、"機構由来の迷光" と呼ばれることもあります。 この種の迷光は、内部に光源を持つ電子機器に取り付けられた 操作パネルを、意図しないタイミングで発光させてしまったりします。
時として迷光は、機構部品上に集光し、発熱の原因となることもありますし、あるいは高出力レーザ光学系の場合には、集光点がレンズ面上に形成されることで、レンズそのものが損傷を 受けることさえあります。
ここで紹介するのは、それら迷光の経路を大規模に解析した実例です。
地球の周回軌道上にある宇宙望遠鏡には、希薄な外層大気による屈折効果のため、本来とは異なる方位から大量の太陽光が入射し、結果、衛星構体上に過度の光集中を 生じる場合があります。 これは衛星の熱損傷に直結する重大な問題です。ジェネシアは、光束の入射方位と 集光部位の関係を定量的に解析し、衛星構体の熱設計に対する根拠を明らかにしました。
(宇宙科学研究所 太陽観測衛星 Solar-Bにおける弊社実績)